春彼岸を迎える頃。お墓を見守る”見まわり隊”と、工場加工始動!

深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。今回は、春のお彼岸を迎える頃の弊社のお仕事をご紹介いたします!

 

雪国のお墓は、冬期間すっぽりと雪で包まれます。

3月の春彼岸あたりからどんどんと雪が解けて、お墓が徐々に顔を出してきます。弊社は、この時期には各墓地巡り、<<見まわり隊>>として、近隣の墓地を見てまわります。

 

こちらは秩父別の墓地です。弊社で施工させていただいたお墓のお地蔵様が倒れていました。

 

さっそく起こして差し上げて、きちんと接着して修復します。こちらの墓地では、今年は特に倒壊が多く見られました。

倒壊の原因のひとつとして、寒い地域特有の凍害があります。この頃になると、日中に溶けた雪の水分が夜中にはまた凍ってしまいます。石とのつなぎ目にできた微妙な隙間に水分が入って凍ったために、石を持ち上げてずれたり、お墓に偏った積雪で石が倒壊したり、お墓の石に様々な影響を与えることがあります。

 

こちらも同じ墓地です。墓前灯篭が倒れてしまっています。もともと墓石用のボンドでしっかりと接着しているのですが、凍害の威力は予想以上です。

 

こちらもきちんと据え直しました。弊社で過去にご縁で建立いただいたお客様のお墓が倒壊しているところを万一発見した場合は、同じようにすばやく現地で手直ししておきます。石が欠けていたり、その場で手直しするだけでは修復が難しい場合には、お客様へご連絡をします。

積雪の量や降り方、溶け始める時期によっても状況は異なり、偶発的な現象ともいえますが、施工技術や道具が進化した現代でも、毎年のように見せつけられる自然の力には、あらためて石屋さんとしても驚かされます。この時期の倒壊が事件のようにニュースで扱われることもありますが、大方は自然の影響によるものです。

こうした現象は、地域特有のものでもあります。弊社では、深川市以外にもその近隣の墓地、幌加内など雪の多い地域まで、施工させていただいたお墓がある墓地は、可能な限り見まわりを続けています。お墓を作るだけでなく、こうして見守り続けていくことも、石屋さんとしての大切な役割だと考えています。

 

お墓の見まわり隊以外にも、春の足音が近付いてくると取り掛かることがあります。

 

こちらの写真、一見何の写真かわからないかもしれませんが・・・工場の敷地内の、石材が積んである場所です。雪の下に、たくさんの石材が置いてあります。

雪が多く極寒の冬季は、工場での加工が一時中断します。工場にある原石も雪で埋まってしまいますし、石材の加工には実は大量の水を使用するため、冬季でも工場内は零下にあることが多くなり、水が凍って作業がスムーズにできなくなるからです。

 

3月が過ぎて、凍ることもなくなるころから、いよいよ原石を切削し始めていきます。見まわりの際に万一石が倒れて欠けたりしていた場合の修復も、工場での加工が可能ですので安心です。今年もこれまで同様、設計から加工まで真心こめてご対応し、お墓を建てたあとも見守り続ける、お客様のお墓作りへの思いに寄り添える石屋として、たくさんの方に喜んでいただきたいです!

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