ペット専用の合葬墓「にじのえん」が完成!「虹」と「白い象」をポイントにした、ご縁を感じるあたたかい合葬墓。雨竜町の寺院様境内

深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。雨竜町の専福寺様境内に、ペット専用の合葬墓「にじのえん」が完成しましたので、ご紹介いたします。

 

【ペット専用の合葬墓「にじのえん」が完成! 雨竜町 専福寺境内】

 

以前からご相談いただいていた、お寺様のペット専用の合葬墓が完成し、先日完成建碑供養式を執り行いました。

今回建立されるきっかけになったのは、ご住職様が檀家さんとお話をする中で、「ペットの供養はできませんか?」と聞かれたことだったそうです。近年は、家族同様のペットをきちんと供養したいと思われている方もたくさんいらっしゃいます。今回のこのペット専用合葬墓は、北空知地区では深川市(14年前に弊社で建立)に続き、2例目となります。以前このブログでも、この合葬墓の上に設置する石製の「白い象」のことをご紹介させていただきました。

 

こちらが設置場所です。寺院内の境内地で、今までは庭園としていましたが、木々も積雪で折れ、今は切り株が残っているままになっていました。景観整備も兼ねて、ここへ合葬墓を設置することになりました。

合葬墓の詳細については、あまり大きすぎないようにと、高さについてはご希望が明確にありましたが、全体のイメージのご希望としては、「丸い柔らかい、皆さんがホッとするようなイメージ 」という漠然としたものでした。色々と考えてデザインしたものをご提案し、それをとても気に入っていただけたので、早速製作に入りました。

 

基礎工事の様子です。地盤を固めた後、コンクリートの基礎を築きます。弊社は、メタルフォームという鉄板の枠を使用します。

 

基礎が完成です。中央は納骨室の下にあたる、ご遺骨を土に還す部分です。両サイドは、住職のお母様のご希望で花壇として使用できるように土のまま残しました。凍害などの影響も考慮して、しっかりと厚みを持たせた基礎です。

 

工場での加工の様子です。こちらは壁石となる石で、「柔らかいイメージ」というご希望から桜御影石を選びました。

 

柱部分を製作しています。きれいに磨き上げて、現地へ搬入して設置に移ります。

 

完成した部材を組み立てています。壁石を組んでいます。壁石の内側が広い納骨スペースになります。

 

こちらは、納骨スペースの上に設置する部材の加工を行っているところです。これから、赤い線にあわせて丸く加工します。

 

ちょうど半円形になりました。きれいに磨いて完成です。

 

同じ形状で、少しずつ大きさの違うものを、色違いで計5枚製作しました。一番大きいもので、高さ70cmほどあります。これは、今回の碑のポイントのひとつとなる、「虹」を石で表現するためです。

 

一番手前には、「なもあみだぶつ」と彫ってあります。この文字は、ご住職様にご紹介いただいた、檀家さんのお一人に書いていただきました。とても味わいのある柔らかい字です。

 

今回の合葬墓のもう一つのポイントは、「花まつり」に関わってくる「白い象」も設置するところです。「白い象」製作にあたっては、4代目の雄太郎が製作しています。使用材はイタリアの大理石ビアンコカラーラという有名な石です。

 

こちらは、元の庭にあった景観石です。こちらも、今回の施設名のタイトル看板に利用することになりました。

 

「にじのえん」という施設名を、先ほどと同じ檀家さんに書いていただき、それをこの石に転写して彫っていきます。

 

彫り終えました。彫ってみて気付きましたが、とても硬い石でした^^;

 

現場で、工場で製作したものも設置していきます。手前には、広めの踏み石も設置しました。

 

納骨室の右側にあるのは、納骨するペットのお名前が入る銘板です。

 

目地入れや拭き上げを終えて、完成です!

奥に納骨室があり、その手前にはお参りスペース、入り口すぐのところには、ベンチ兼物置きの石を二つ設置しました。敷地全体には草止めのマットを敷いて、管理しやすくしています。

 

大きめの踏み石を進むと、手前に線香蝋燭立てが設置された台があります。その隣にあるのはお賽銭入れです。

 

今回のポイント、石で表現した「虹」と、「白い象」です。施設名「にじのえん」にもある「虹」は、インド材の黒と赤御影、フランス材の青御影など、5色の石を組み合わせでできています。5色にしたのは、仏教における如来の精神を示す、黒・赤・青・黄・白を表現するためです。そしてこの「白い象」が、亡くなったペットたちを見守って供養してくれることでしょう。

 

納骨室の上には左右に花立を設置、向かって右側に見える土の部分が、お母様ご希望の花壇です。左側にも同じものがあります。お名前を彫刻する銘板は黒御影石で製作しました。

 

納骨室の前壁には、納骨する際の入り口があります。鍵付きなので安心してご納骨いただけます。

 

もともとあった自然石に施設名を彫刻した石も、こちらに設置しました。揮毫をお願いした檀家さんにも、「揮毫依頼は、迷いましたが書いてよかった。記念になります」と喜んでいただきました。

 

先日行われた完成建碑供養式には、ご住職様や役員の方々など10名様ほどがお越しになりました。皆様に、大変喜んでいただくことができました!

今回、檀家さんのひとことをきっかけに、ご住職や役員の方々が取り組まれてこの合葬墓の建立となりましたが、これも時代の流れに向き合うという大切な姿なのかもしれません。皆様からのお布施の一部を動物保護団体の方へ寄贈するご予定もあるそうで、施設名の「にじのえん」という名の通り、直接のつながりではなくてもどこかでつながるご縁を感じさせてくれます。実は、ご住職様は私の息子と同じくらいのお年でまだお若い方なのですが、しっかりとお寺の将来や檀家さんとのつながり、地域のことや、ご縁の通じた誰かのことまで大切に考えていらっしゃる方でした。まわりの役員の方々もそれを支えるべく、みんなでバックアップしよう!と協力して取り組んでいる姿がとても素晴らしく、印象に残りました。

このたびは、合葬墓の建立を弊社にお任せいただきまして、ありがとうございました。今後も、ご住職様はじめ役員の方々や、檀家の皆様のお役に立てるよう、お手伝いさせていただければと思っております。