「かまぼこ彫り」の木製看板の製作風景。石材以外のお仕事もいただいています

深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。今回は、木製看板の製作の様子をご紹介いたします!

 

看板作成

 

昔からの知り合いの方から、宗教法人様の看板の製作をご依頼いただきました。「ちょっと相談があるんだけど」と声をかけられてお話を伺うと、以前掛かっていた看板が傷んでしまい、ご自宅を新築されたときに来た大工さんに話したところ、木材で看板の台木を作ってくれたそうです。私が書道をしていることを知っている方だったので、「三上さん、字を書いてくれない?」と私にお話がきた次第です^^

どんな看板にするかお客様と話しあって、今回は「かまぼこ彫り」の看板を製作することにしました。以前の看板は木にペンキで書いたものでした。今回もペンキは使用しますが、より保ちが良く、長く使える看板になるように製作します。

 

こちらが、大工さんが用意してくれた無垢材です。長さ約2m40cm、横幅約30cm、厚み約5cmです。かなり大きく、重さもあります。

 

まずは文字を揮毫します。色々なパターンの書体でたくさん書いて、最終的にはこの書体で決まりました。お客様にOKをいただいたら、看板作りに取り掛かります。

 

書いた文字を、台木のサイズに合わせて少し拡大し、実際において位置決めをします。文字と文字の間、バランスなども確認します。

 

配置を決めたら、書いた字をカーボンで転写します。ほかにも色々な方法があるのかもしれませんが、私はこのやり方で行っています。

 

いよいよ「かまぼこ彫り」で彫っていきます。「かまぼこ彫り」は、文字の線の真ん中が浮き出すような形の彫り方です。まず、文字の輪郭、縁を彫刻刀で彫っていきます。

 

彫り進んでいます。縁を彫ったあと、線の真ん中が盛り上がるように彫っていきます。大きな看板を彫り終えるまでに彫刻刀が途中で切れなくなってしまうので、彫刻刀を2セット用意して彫りました。

 

彫り終えたら、木のガサガサした表面をサンドペーパーで滑らかに整えます。

 

彫刻完了です!

もちろん自然の木材なので、木目があったり、硬いところ・柔らかいところがあったりします。彫る箇所に合わせて、力加減や彫り方を変えなくてはいけません。失敗が許されないのは、石の彫刻と共通するところがありますね。石にも硬いもの・柔らかいものがあり、彫り方を変えたりするのも同じです。彫るスピードやリズムなど、経験とともに体得していくもので、初めての方にはなかなか難しいところです。

 

仕上げに、ラッカー系の塗料を筆で入れます。お墓の彫刻に入れるものと同じものです。丁寧に、慎重に行います。

 

出来上がりです! 写真で見ると分かりにくいかもしれませんが、大きさもあり、堂々とした迫力のある看板に仕上がりました。他の仕事も同時進行でしたので、1週間ほどお日にちをいただきました。

良い日を選んでご納品に伺いました。お客様には、とても立派な看板になったととても喜んでいただけました。ご自宅の隣の教院の看板として、屋外に取り付けられるということです。以前のものより立派になっただけでなく、長く使っていただけると思います!

今回は、木製の看板製作のご依頼でした。石の看板はもちろん、書をやっていることもあって、お店の大きな看板の製作をご依頼いただいたこともあります。素材こそ違いますが、石の彫刻と共通するところも大きいので、経験や技術を活かして色々な挑戦をさせていただけることは、とてもありがたいことです。今後もいただけるご縁に感謝して、様々なことに取り組んでいきたいです! この度は、お声かけいただいてありがとうございました。

以前製作させていただいたお店の看板