春からのご納骨に向けて、納骨袋の製作。雪深いこの時期から、ひとつひとつ心を込めて製作しています

深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。今回は、毎年ひとつひとつ手作りしております、納骨袋の製作の様子をご紹介いたします!

 

◆納骨の袋を作成しております◆

 

納骨の方法は、全国そこそこで違っております。
北海道の場合は、骨壺から空けて納骨する(俗に土にかえす)方法をとっておられる石材店が多いのではないかと思います。弊社でお仕事をさせていただいている地域(深川市近辺)でも、同じようにご納骨する方法をとっているケースがほとんどです。納骨室(カロート)の中の大きさに関わったり、「土にかえす」という考え方から、そのようにしているようです。

弊社ではその都度お客様にご希望を伺っていますが、やはりお骨壺から空けてご納骨を希望される方が多いです。その際は、こちらでご用意しているご納骨袋に入れて納めます。袋自体は綿なのでいずれは自然に還っていくものであり、弊社としては、亡くなった方に着物を着せて差し上げるという感覚もあります。

そうしたことから、弊社では毎年、納骨袋を作成しております。春からのご納骨に向けて、墓地内はまだ雪深いこの時期ごろから、ひとつひとつ手作りしています。私が石屋の仕事を始めてからは毎年ですから、少なくとももう30年ほどは続けています。

 

こちらは納骨袋に使用する綿のさらしです。1反ずつの束になっています。

 

袋に入ったひとつが1反です。この1反から、8枚の納骨袋の布が取れます。

 

寸法通りに裁断しました。縫い合わせる前の状態です。

 

こちらが一人分の納骨袋になります。この布地の端を、袋状になるように縫い合わせていきます。

 

縫い作業中です。社長の妻が、ひとつひとつ手作業で行っています。清浄に保つため、手袋をつけて行います。

 

両端を縫い合わせ、袋状に仕上げて完成です。口の部分は片側を長くしてみみを付け、折り曲げられるようになっています。

 

実際にご納骨のお手伝いをさせていただいたときの様子です。ご納骨袋もこのように用意してご納骨の準備をします。

 

お骨壺からご遺骨を取り出して納骨袋に入れ、このように納骨をします。ご遺骨をそのまま納めるのではなく、こうしてきれいにくるんで、納骨室内の土の上に静かに安置します。

 

納骨袋は1,000円ほどで市販しているものもありますが、弊社では、ご自分でご納骨される方にもこの手作りの袋を差し上げています。中にはどこかで聞かれたのか、他の石材店さんでお墓を建てられた方が袋だけを求めに来られる場合もあり、その際は布代として数百円をいただいてお渡ししています。

本来でしたら、亡くなられた方のご家族が袋を縫って納骨されるのが一番供養になるのかもしれません。ですが、実際にはなかなかそこまで思い至る方はいらっしゃらないと思いますし、したくてもできない事情をお聞きすることもあります。かといってそのままの状態で納骨するのは忍びなく思うという方にも、安心して心残りなくご納骨いただけるようにお手伝い・サポートすることも、石材店として大切な心がけと考えています。ちょっとしたことですが、真心こめて製作したこの納骨袋が、皆様の一助になれば幸いです。
 

その他の施工例に関する記事

●厄除けプレート第2弾、厄を祓って福を呼ぶ、「立春大吉」プレートを製作しました。
●かわいらしい「ねずみ」の干支彫刻。お墓の墓誌台に設置して、ご家族を偲ぶ
●石に付着する汚れを除去!!お墓や彫像のクリーニング方法のご紹介
●「かまぼこ彫り」の木製看板の製作風景。石材以外のお仕事もいただいています
●かわいらしいアマビエの石プレートを制作。「まけるな!」元気お守りプレート
●毎年恒例、しめ飾り作りのようすをご紹介。良い一年になりますように
●日高石の自然石で、俳句碑を建立させていただきました。北海道北竜町イチイの森にて